会場に人を集めて説明会を開きたい。さらにその様子をZoomで生配信したい。でもプロ用の機材は持っていないーーー。こうした要望をできるだけシンプルに叶える方法を模索してみました。
実際に使った機材と設定の一覧表
まずはザックリ結論から。実際に説明会で使った機材と設定は下記のようになります。
管理用PC | カメラ用iPad | マイク用iPad | 参加者のスマホやPC | |
用途 | ・音声チェック ・入退室管理 ・コメント管理 ・パワポのスライド共有 | 演者の映像配信 | 演者の音声配信 | Zoomの視聴 |
スピーカー | オン(イヤホン) | オフ | オフ | オン |
ビデオ | オフ | オン | オフ | オフ |
マイク | オフ | オフ | オン | オフ |
サインイン | アカウントA | アカウントA | アカウントA | 各自のアカウント |
電源接続 | ACアダプター | ACアダプター | ACアダプター | 各自にお任せ |
ご覧の通り、生配信に使った機材はPCとiPadのみです。説明会やセミナーの生配信と言えば、外部カメラや外部マイクといった専用機材が必要と決め付けていたんですが、実際は外部カメラや外部マイクは不要でした。
iPadをカメラとマイクの代わりにしよう
今回のポイントは、外部カメラと外部マイクは使わずに、2台のiPadで代用した点です。いろんな意味で楽チンかつ安心でした。
生配信用機材にスマホではなくタブレットを選んだ理由は、タブレットなら基本的に電話がかかってくることがないからです。重要な説明会の途中に電話やLINEが着信したら冷や汗モノです(^◇^;)
iPadの台数が足りない場合はAndroidタブレットでもオーケー。同僚や友達から借りられるなら、ありがたく借りちゃいましょう!
管理用PCで音声をチェック
管理用PCはZoomの管理に必須です。今回使ったのは「Surface Go 2」。ボディは小ぶりですが、Zoomの管理用としては十分でした。
管理用PCにはイヤホンを繋いで、スピーカーをオンにします。本番中、演者の声がちゃんとZoomに流れているかどうかを常にモニータするためです。
イヤホンはBluetoothなどワイヤレスのものをオススメします。ワイヤレスイヤホンは会場内を移動しながら、後述するマイク用iPadの調整がしやすかったからです。
カメラ用iPadにはスポットライトを当てる
映像配信は、手元にあった「iPad Pro 11インチ」の背面カメラとZoom公式アプリのみで行ないました。サードパーティ製のカメラアプリを使う必要はありません。
カメラ用iPadは、角度調節可能なタブレット用スタンドで会議用テーブルにガッチリと固定。5〜6m離れた位置からズームインして、演者とプロジェクターを画面内に収めました。
大切なのは、カメラ用iPadに「全員のスポットライト」を当てておくことです。スポットライトを当てておくと、演者の映像は常に目立つ位置に表示されるようになります。
カメラ用iPadにスポットライトを当てないと、マイク用iPadが目立つ位置に表示され、見た目がグダグタになってしまいます。カメラ用iPadには必ずスポットライトを当てておきましょう。
マイク用iPadは場内スピーカーの正面に平置き
音声配信は、カメラ用iPadとは別の「iPad Pro 11インチ」本体のマイクとZoom公式アプリのみで行ないました。こちらもサードパーティ製のカメラアプリを使う必要はありません。
「iPad Pro 11インチ」の本体にはマイクが全部で5つも付いているんですが、いろいろと試してみたところ、上部側面にある2つ穴のマイクの音質が一番よかったです。
マイク用iPadの置き場所は、演者の声が流れる、会場内の大型スピーカーのドまん前にしました。iPad本体のマイクを大型スピーカーにベタ付け平置きするだけで、演者の声がクリアに聞こえるようになりました。
実はiPad本体のマイクの代わりに有線のピンマイクを使うことも考えたんです。が、今回は採用を見送りました。というのも、今回の説明会は演者の入れ替わりが激しく、そのたびにピンマイクの付け外しをするのは進行の妨げになると判断したからです。この点は演者に合わせて臨機応変に対応しましょう。
重要な生配信は有料のZoomアカウントで
今回使ったZoomアカウントは1つのみです。管理用PC、カメラ用iPad、マイク用iPadにすべて同じアカウントでサインインし、問題なく生配信できました。今回は、
- 40分を超える生配信(有料版のみの機能)
- スポットライト(有料版のみの機能)
- 共同ホスト(有料版のみの機能)
こうした機能を使う必要があったため有料版のZoomアカウントを使ったんですが、逆に言うと、仲間内でのカジュアルな生配信で、上記の機能が不要なら無料版アカウントでもどうにかなりそうです。
万が一に備え「ながら充電」
今回の説明会に必要な時間はリハーサルを含め約2時間。PCもiPadもフル充電したんですが、万が一に備え、充電しながら生配信しました。「ながら充電」はよからぬことと承知していますが、重要な説明会の本番でトラブったら取り返しがつきませんからね。ケーブル類は、
- 電源ケーブル
- ACアダプター
- 長めの延長コード
これらを3セット、計9本のケーブルを使いました。
実はハードルが低いZoomの生配信
視聴者からお金を取るような生配信ならともかく、無料のオンライン説明会なら、この記事のやり方で十分なんじゃないでしょうか。
「iPad Pro 11インチ」の背面カメラは映りがよく、5〜6m先のプロジェクターに表示しているスライド上の小さな文字も想像以上にハッキリと読み取れるほどでした。使いものになります。
「Zoomの外部カメラと外部マイクって、iPadでカンタンに代用できないかなぁ」と悶々としている人は、ぜひ一度この方法で試してみてくださいな。オレでもできたので、カンタンですよ。
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