格安SIMを使っているのは10人中2人もいないという衝撃の事実についてアレコレ考えてみた

格安SIM

NTTドコモの企業内研究所である「モバイル社会研究所」が、国内のスマホユーザーの格安SIMの利用率に関する調査レポートを発表しました。

基本レポート(MVNO:利用率2019)スマートフォンユーザーのMVNO利用率は18.1%に|NTTドコモ モバイル社会研究所

個人的にはとても興味深い内容だったので、あーでもない、こーでもないと思いを巡らせてみたいと思います。お時間のあるお方はお付き合い下さい。

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格安SIMの利用率自体は右肩上がり

格安SIMの利用率は、過去4年で約5倍に増えました。2015年〜2016年が激増している要因は、SIMロック解除の義務化がスタートしたり、LINE、イオン、楽天など有名ブランドの参入で、格安SIMの認知度が一気に高まったからなんでしょうか?

また、2018年〜2019年のチョイ増加は、消費増税前の駆け込み需要がそうさせたのかもしれません。このまま順調に行けば、20%を突破するのは2020年か2021年になりそうです。2020年で20%超えですか。いい響きですね(^_^)

格安SIMを使っているのは10人中2人もいない

ところが、です。

格安SIMの利用率は平均18.1%なんですね。100人いる職場なら格安SIM利用者は18人いることになりますが、10人の学級なら2人もいません、1人です。幸い(?)オレの身近には格安SIM利用者しかいませんので、この数字はかなり衝撃的でした。

40代、50代が一気に格安SIMへ

年代別に見ると、この1年で利用率が大きく伸びたのは40代、50代です。とくに40代は、昨年首位の30代を抜いて見事1位になりました。

なぜでしょう?

彼らの子供世代である20代、30代に引っ張られたというよりはむしろ、親世代である60代、70代に引っ張られたという見方の方がしっくり来るんじゃないでしょうか?

60代、70代の親 格安SIMにしたら、出先でもタブレットでインターネットが快適じゃ。

40代、50代の子供 え? 格安SI…?

60代、70代の親 だから格安SIMじゃよ!

40代、50代の子供 フーン。で、どれぐらい安いの?

60代、70代の親 データ通信だけなら毎月1000円ちょっとかのー。スマホでも毎月2000円行かんわ。これぐらいなら年金暮らしでも安心だわな。

40代、50代の子供 え? そうなん? メッチャ安いやん。やっぱ自分も格安SIMにしよっかな?

…みたいなテンプレ会話が、日夜日本のどこかで繰り広げられているのかもしれません。

年金世代である60代、70代は節約意識が高く、ムダなコストに敏感です。案外、格安SIMの世界では60代、70代がアーリーアダプターなのかもしれませんね。

70代は40代よりも格安SIMを使っている

格安SIMを一番使っているのは40代です。その次が70代で、以降30代、50代、60代と続きます。70代は昨年も30代に次いで2位でした。シニア層はやはりタブレットでの利用が多いんでしょうが、それにしても70代の安定した伸びには目を見張るものがあります。

ひょっとすると、この世代は自宅にインターネットの固定回線がなく、タブレットと格安SIMでインターネットを楽しんでいるのかもしれません。大げさに言えば、実はどの世代よりも積極的に格安SIMを使いこなしていると言ってもいいんじゃないでしょうか?

家族になると格安SIMへ

30代〜70代の格安SIM利用率は、平均を上回る20%前後と高めです。10代、20代の約2倍。やはり結婚して家庭を持ったり、家族が増えると、家計の中の通信コストが気になるんでしょうかね?

10代は格安SIMを必要としていない

多くの格安SIM事業者は20歳未満、つまり未成年者は契約できません。mineoのように18歳以上なら契約できる格安SIM事業者もありますが、それでも10歳〜17歳という10代の大半は契約できません。

10歳〜17歳というのは、基本的に親の財布からスマホの料金を支払ってもらっているケースがほとんどなんじゃないでしょうか? とすると、スマホの料金が高いか安いかなんてあまり気にしたことない、というのが正直なところでしょう。そもそも格安SIMに乗り換える必要がない。だから格安SIMの利用率が低いんでしょうね。

アルバイトしている人は、お金のありがたみを肌で知っています。そういう人は、親に頼んで格安SIMを契約してもらっているはずです。

20代は見栄っぱり?

20代の格安SIM利用率は、かなり低いです。ざっくり30代以上の半分程度しかありません。

20代は高いか安いかよりも、新しいものに目が行きがちです。大学や職場で周りの目もありますしね。格安SIMなんか使っていると、セコイ奴だと見下されそうで怖いんじゃないでしょうか?

また20代は独身が多く、自分のお金を自由に使えます。多少料金が高くても、大手のキャリアで常に最新機種に機種変更できるようにしておきたいというのがホンネでしょう。20代の多くは仕事をし始めたばかりで、格安SIMに乗り換える手続きが面倒臭いというのもあるような気がします。

人は歳をとると格安SIMにする

今回のレポートを見て、人は歳をとると格安SIMにするんだな、ということが分かりました。格安SIM事業者としては、その点ではひと安心と言えるでしょう。

でも、それでもまだ利用率は20%程度です。残りの80%の大多数はいまだに大手キャリアに留まっているんですよ。なぜでしょう?

  • 格安SIMに興味はあるけど、どこで手続きすればいいのか分からない。
  • SIMカードを入れ替えたりと手続きが難しそう。面倒臭そう。自分ではできそうにない。
  • 格安SIMは何となく胡散くさい。格安という言葉がみっともない。安っぽい。

格安SIMに乗り換えない理由はだいたいこんなところでしょう。こうした点を払拭するのが、これから格安SIM事業者がやるべきことなのかもしれませんね。

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